マサチューセッッエ科大学に競争力に関するフォーラムが作られ、産業ごとの報告書で政府がとるべき産業政策がくわしく論じられている。
日本に関するある報告書は、結論として以下のように指摘した。
実際には、ケネディ政権は経済政策に慎重であった。
短命に終わった同政権で経済政策の中心になったのは景気を回復させるための減税だが、この政策が実施されたのは、景気がすでに回復軌道にのってからであった。
それでも、このときの景気回復で中央管理の神話が強まることになった。
やがて中央管理の動きがパロディといえるまでに極端になっており、Jソン大統領と政府高官が毎晩の会議で、ベトナムでの翌日の爆撃目標を選ぶまでになった。
N大統領にとって、ケインズ流の積極介入の最大の魅力は国民の受けがよい点にあった。
1960年の選挙で痛い思いをして学んだことだ。
N大統領が71年に経済の極端な中央管理を導入したのは、結局のところ、再選選挙での地滑り的な勝利を主要な目標にしたものであった。
アメリカが日本の挑戦に対抗し、世界を主導する地位を取り戻す唯一の方法は、産業政策を総合的に活用することである。
産業政策の前提条件になるのは強力な中央政府と優れた人材で構成される官僚組織であり、この2つがなければ、アメリカは経済の衰退を避けられない。
日本の通商産業省は超人的な能力をもつとされて恐れられ、日本産業による海外市場征服の司令塔だとされた。
通産省はたしかに大企業のカルテルの利益をはかるために活動してきたし、戦略的な目標の設定では成功した場合もあるが、失敗例もかなり多い。
たとえばメインフレーム・コンピューターでIBに追いつくために、20年にわたって努力を続けてきたが、目標が間違っていたことに気づいて悟然とする結果になった。
日本のコンピューター産業が1980年代末にようやくIBに追いついたとき、メインフレームのメーカーはマイクロプロセッサーを使った分散型の小型機との競争で苦境に立たされており、小型機では日本はほとんど競争力をもっていなかった。
だが、このような傾向は学者だけにみられるわけではない。
A・GはINTの会長であり、とりわけ優秀で成功を収めた実業家だが、通産省のような体制を作って断固として反撃しなければ、アメリカは日本の「ハイテクの植民地」になると警告している。
こケインズ型のリベラリズムが信頼を失ったことで、長く出番をまっていた別のパラダイムに日が当たるようになった。
M・Fの「マネタリズム」である。
マネタリズムは表向き、通貨に関する理論ということになっていた。
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